『13階段』高野和明
講談社文庫
講談社文庫
あらすじ
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。
だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。
処刑までに残された時間はわずかしかない。
二人は、無実の男の命を救うことができるのか。
江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
(BOOKデータベースより引用)
感想
刑務官と前科者のコンビのミステリー推理小説。
南郷の刑務官の職務も緻密に書き出されており、なるほどと関心を持ってしまいます。
終盤に、衝撃の告白があるのですが、おそらく感情移入してしまう方も多いことでしょう。
僕も読んでいていたたまれない気持ちになりました。
何がよくて何がわるいのか、根底における“善悪”が読者に問われるテーマです。
巻末の宮部みゆきさんの解説も面白いですよ。
最後に、最も印象に残ったシーンです。
光男は壁際の電気ポットで茶を淹れると、純一の前に湯呑みを置いた。加害者が相手では、茶を出すのにも猛烈な意志の力を必要とするのだろう。
佐村光男
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