闇に香る嘘/下村敦史

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小説レビュー

見えないという設定がスリルを助長する。

こんにちは、制作ディレクターのくらゆーです。僕の読んだ書籍についてレビューします。

『闇に香る嘘』下村敦史
講談社文庫

あらすじ

盲目の村上和久。41歳で視力を失い現在67歳。一人娘に娘がいるが、腎臓が悪く透析を続ける生活。孫は母親から一個腎臓を移植し、もう一個の移植を和久から試みるも、適合検査で状態が良くなく不適合と判定。岩手の実家の兄である村上竜彦が頼りだったが頑なに適合検査を拒む。

幼少時代、中国開拓団として母、竜彦、和久は満州で暮らしていた。避難の最中に川で竜彦が流され兄弟離ればなれになり、和久と母親はその後帰国。竜彦は長年中国で養夫父母に育ててもらい、中国残留孤児として村上家に戻ってきた。

竜彦が戻ってきたときには、既に視力を失っている和久。兄の顔を見ていないということもあり、頑なに孫との腎臓の適合検査を拒むことへ疑念を抱き、“本当の兄なのか?”と捜索していく。

感想

主人公が盲目であるという目線で、見事にスリル感ある様子を書き上げていると感じた!

僕自身も読んでいて主人公と同様に疑念が疑念を呼んで、どいつも怪しく見えてしまったが、

話が進むにつれ「もしかして◯◯なんじゃないかな?」と思うようになっていた。

でも、特に自信があるわけでもなく推理までできないから結局は読み進めることに…。

謎が解明してくるにつれ、散りばめられた描写を一つ一つ回収しており推理小説として完成度は高かったかな。

ただ、僕はどんでん返しが好きなので、騙された感はあまり受けなかった。

最後に、響いた台詞はこちらです。

本物か偽者かなんて……もうどうでもいいことだよ

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