イニシエーション・ラブ/乾くるみ

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小説レビュー

主人公とはいったい誰のことだろうか?

こんにちは、制作ディレクターのくらゆーです。僕の読んだ書籍についてレビューします。

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
文春文庫

あらすじ

~side A~

奥手な性格の鈴木は、合コンで出会ったマユに心を惹かれた。その時には何もできなかったが、また同じメンバーで遊びに誘われた時にマユの電話番号を教えてもらった。そこから次第にデートをする仲になり、「マユちゃん」「たっくん」と呼び合うようになった二人。
またメンバーで遊ぶも互いに嫉妬し合い、その夜告白をする。それからは恋愛が加速。
夜景の見えるディナーとお泊まりという理想のクリスマスのプランを話し合い、鈴木はダメ元で予約の電話をホテルへ入れてみたところ、たまたまキャンセルが出たことでそのプランが叶った。鈴木は最高に幸せを感じた。

~side B~

鈴木はマユとの関係を考えて東京の内定企業を蹴り地元静岡の企業に就職。しかし、親会社(東京)へ2年間の配属となってしまう。2人は遠距離に。 毎週末会いに行くも鈴木は心身ともに徐々に疲れてしまう。そんな中、東京での同僚である石丸美弥子と接触する機会が増えた。美弥子と距離が近くなり、ある飲み会で彼女がいることを美弥子に見破られた。美弥子は元彼から別れのときに言われた「お前にとって俺はイニシエーション(通過儀礼)だった」という話をした。

マユと会うのが隔週になり、ある週、鈴木は美弥子からショッピングに誘われ行くことになるが、その後、強引にホテルに入ることになり美弥子と関係を持ってしまう。
二股が続き、ある日マユに対して「美弥子」と呼んでしまう。それがきっかけで別れる。

マユとのために確保しておいたクリスマスディナーをキャンセルした鈴木は、美弥子の実家でクリスマスを過ごすことに。

ふとマユのことが思いされるも美弥子の部屋で衝撃の…

感想

普通に読んでいくと恋愛青春小説なので、ミステリーということを忘れてしまいます。

僕はどんでん返し系の小説を探していて、多くの人が『イニシエーション・ラブ』を勧めていたので手に取ったのですが、皆が「?」となるところを僕は別の意味で解釈してしまっていたようで、(ここではネタバレ解説はしませんが、)なんかモヤっとして答えがはっきりせず結局解説レビューを見ました。

伏線もしっかり回収されているし、納得しました。結構オススメです。

2回読みたくなると言うのはトリックあってのこと。僕はまだ2回目読んでないけどね、少し内容忘れた頃に読もうかな(笑)


『イニシエーション・ラブ』は実写で映画化されているのですが、見た人の評価によるとかなり高い方ようです。

最後に、印象に残った台詞です。

「たっくん?」と言ったときのマユの口調が、あまりにも普通だったからだ。

鈴木

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