人魚の眠る家/東野圭吾

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小説レビュー
『人魚の眠る家』東野圭吾
幻冬舎文庫


あらすじ

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。

娘がプールで溺れた―。

病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。

狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。


(BOOKデータベースより引用)

感想

脳死を死と受け入れられない。なぜなら心臓が動き、呼吸をし、体が温かいから――

考えたくもないけど自らがそのような状況に直面したらどうなるだろうか?

薫子のように受け入れられずに共に生活を続けるのか。それとも「死」と受け入れ、身体の命を絶つ選択肢をとるのか。

強い愛情のゆえ捻れてしまう理性とは、きっとこのことなのかな。。

読者として読み進めていくには、薫子の行動が狂気と感じるしかない状況に追い込まれます。

テーマとしてはやや重たいとこでしょう、何せ生と死の“解釈”と“判断”を迫られるわけですから。

実写版は見てないけど見応えありそう。

最後に、最も印象に残った台詞です

「今、我が家に……うちの家にいる娘は、患者でしょうか。それとも死体なのでしょうか」

和昌

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