七つの会議/池井戸潤

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小説レビュー
『七つの会議』池井戸潤
集英社文庫

あらすじ

舞台は中堅電機メーカーである東京建電。営業一課の万年係長の八角民夫が、年下上司の坂戸宣彦から度々営業会議で叱責を受ける。

しかし、とある時に、八角は坂戸をパワハラで訴え、坂戸を降格させるという騒動が起きた。

―なぜ?

新しく課長に就任した原島万二が不思議に思いその背景を探し求める。

ここから物語が展開し、隠されていた謎や、企業の負の部分が明かされていく…

感想

内容は大事(おおごと)なんですが、日本の企業ならどこにでも潜んでそうな印象を受けてしまいました。

身近に感じたくないけど身近な気分になります。

話はそれぞれの立場から語られるので、僕は結構途中まで誰が主人公かわかりませんでした。

そして問題が発覚し始めてからの展開がのめり込みますね。

最後の回収の仕方はゾゾッと来てしまいました。つい、自分が勤めている会社のことを当て嵌めて想像したくなってしまいます。


実写(映画)の人選を後から見たのですが、自分が想像していたそれぞれのキャラクターのイメージと映画でキャスティングされた役者さんのイメージがまるで異なっていました。

小説とドラマや映画、どっちからスタートしてもいいとは思いますが、僕は小説から読み出した方が自分の頭の中で絵が浮かんでおもしろいのでそっちをオススメします。

最後に最も印象に残った台詞です。

「オレたちは警察じゃない。ついでにいうと、裁判所に証拠として提出するわけでもない。知りたいのはただひとつ、真実だ。そのためならどんなことでもするさ。あんたたちが金儲けのために手段を選ばなかったようにな」

八角民夫

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